イーサリアム財団の元リサーチャーであるダンクラッド・ファイスト氏は、少なくとも10億ドル規模の資金を有する新たなイーサリアム(ETH)に整合した組織をコミュニティで創設するよう提言した。同氏は、これがイーサリアムを再び成長軌道に戻す唯一の現実的な道筋であると主張している。
同氏がXに投稿したこの提案は、2026年に少なくとも8人のイーサリアム財団(EF)の幹部が退職し、そのうち5人が5月に辞任したことを受けてのもの。
ファイスト氏は、新組織に求められる4つの要件を示した。まず、信頼性のある10億ドル以上の資金調達が必要。そしてプロトコルの利益を守る覚悟を持った有能なリーダーが求められる。さらに、イーサリアム(ETH)保有者に対して明確に責任を負う理事会と、恒久的なステーキング報酬の収入源も構造に含まれるべきだとした。
同氏は自身の主張を明確に示した。
ファイスト氏は、10億ドルという額について「時価総額25兆円(約2500億ドル)規模のエコシステムには非常に妥当」と述べ、イーサリアムの時価総額が現在約2570億ドルであることを指摘した。また、ガバナンス機構として、時間の経過に応じてステーキング収入の割り当てを調整できる仕組みが必要と付け加えた。
ステーキング収入を恒常的に組織へ流入させることで、そのインセンティブがETH価格のパフォーマンスに直接連動し、定期的・一時的な助成金や資産売却への依存を回避できるとした。
イーサリアム財団は現在、ETH全体の0.1%未満しか保有しておらず、ステーキングや取引手数料収入も得ていない。財団の資金は現在9万2548ETH程度で、運営費を賄うための保有ETH売却で減少してきた。
財団は2026年2月に7万ETHを目標とするステーキング施策を開始した。これは、財務残高を減らさずにネイティブな利回りを得ることを目的とするが、批判的な立場からは、ファイスト氏が描く経済的整合性には程遠いとの指摘がなされている。
ファイスト氏はEF退職後、ストライプのステーブルコイン向けブロックチェーン「テンポ」へ移籍した。同氏の離脱は、今年初めにEF幹部チーム刷新を促した幹部大量流出の一因である。
ETH価格は本稿執筆時点で約2126ドル、前年の最高値約4900ドルから57%下落している。ファイスト氏は提案への合意形成に時間を要する可能性を認めつつ、「これが唯一の道」と強調した。

