イーサリアム(ETH)価格は5月を12.6%下落で終えようとしている。スポットETFから4億162万ドルの流出がセンチメントを悪化させた。
今回の下落により、2024年と2025年の5月を上昇で終えた連続記録が途切れた。6月は歴史的にETHにとって弱い月であり、ETF流出と弱気の季節性が、一方でクジラや長期保有者の買い増しという新たな兆しと対立する構図となっている。
2026年5月は本来、イーサリアムにとって最も強い月の一つとなるはずだった。2024年はプラス24.7%、2025年は2番目に高いプラス41.1%を記録した。だが今年はマイナス12.6%まで沈んでいる。
その理由はイーサリアムETFの資金流出にある。米国のETHスポットETFは5月に4億162万ドルの純流出を記録した。これは2025年末以降で3番目に大きい月間流出額で、2025年11月のマイナス14億2000万ドル、2025年12月のマイナス6億1682万ドルに次ぐ規模。
ETFフローが月次パフォーマンスに与える影響は2026年を通して顕著だ。3月はマイナス4601万ドルとほぼ中立で、ETHはプラス7.07%で終了。4月は純流入が3億5598万ドルへと転じ、ETHはプラス7.38%の上昇となった。5月は再び大幅流出に転じ、価格は急落した。こうしたパターンは、ETFの資金流入出がETHの価格動向にとっていかに重要かを示している。
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歴史的な季節要因も6月に向けて弱気を示唆する。ETHの2016年以降の6月平均リターンはマイナス6.74%、中央値はマイナス5.65%となる。過去10年で6月に上昇して終えたのは3回のみ。今後、ETF資金流出が6月も続くのか、一時的に止まってチャートパターンが解消するのかが焦点となる。オンチェーンの注文状況が最初のヒントとなる。
最近の動静で注目されたイーサリアムクジラは動じていない。サンティメントによれば、取引所を除くETHクジラの保有量は5月1日の1億2415万ETHから現在1億2517万ETHまで増加した。20億ドル超に及ぶ着実な買い増しとなる。
クジラは一部で利益確定も行ったが、全体では価格が12%下落した期間に純増を続けている。
グラスノードのHodler Net Position Change(長期保有者の純保有量変化)も、蓄積・分配状況を示す指標としてより明確だ。この指標は2026年2月初旬まで深いマイナスとなり、ETF大流出とETHの大幅下落時期と一致していた。
今回はその相関が現れていない。hodler指標は2月24日以降連続してプラスを維持し、5月中旬以降はその規模を拡大している。
2026年2月との対比が重要だ。あの時期は2026年で唯一、長期保有者の信念が揺らぎ、ETHは月間で19.6%下落した。今回の調整局面ではそのような売り圧力は確認できず、長期保有者はこの下落をパニック売りではなく買い場と見ている可能性がある。
ETHの価格推移は、フローベースの弱さと信念ベースの吸収のどちらに軍配が上がるか注目される。
2日足チャートでのイーサリアムのテクニカル分析では、3月末以降、きれいな逆カップ型パターンが形成されている。カップ頂点は4月中旬で、価格はその後、パターン開始の水準まで弧を描いて下落し、弱気なドーム型が完成した。
ここから反発が起きた場合、多くは逆カップ・アンド・ハンドル型の「ハンドル形成」に該当する。これは弱気継続を示すチャートパターン。構造内部で一時的な反発があってもトレンド自体は変わらない。パターン全体はハンドル形成後も下向きを示唆する。
価格と相対力指数(RSI)との間で進行中の隠れた強気ダイバージェンスが、リバウンドシナリオに唯一のテクニカルな根拠を与えている。RSIは直近の値動きの勢いを測定するモメンタム・オシレーターである。3月28日から5月27日にかけて、ETHは高値圏で切り上げる一方、RSIは切り下げている。下落トレンド中の隠れた強気ダイバージェンスは、通常は反発局面の予兆となるが、トレンド転換のサインではない。
次のETH2日足が1964ドルを上回って形成されれば、同ダイバージェンスが確認される。
パターンとダイバージェンスは短期的な方向性で一致し、値幅では見解が分かれる。反発は有力であり、クジラや長期保有者の蓄積も下支えとなる。ただし、トレンド転換ではない。コストベース分布は、反発がどの水準で再び売り圧力に直面するかを示唆する。
ETHの取引価格は本稿執筆時点で1977ドル付近。Glassnodeのイーサリアム・コストベース分布ヒートマップでは、現行価格の上に2つの密集クラスターが観測される。下側クラスターは2059ドルから2075ドルに位置し、137万ETHが蓄積されている。
上側クラスターは2154ドルから2170ドルに存在し、124万ETHが蓄積されている。これらは過去の買い参入点であり、反発局面ではこれらウォレットが損益分岐点に達するため、抵抗帯となることが多い。
3月末の安値から4月中旬高値までの上昇を基準としたフィボナッチ水準は、ほぼこのクラスターに一致する。0.618水準(2055ドル)は下位クラスターと重なる。0.5水準(2134ドル)は上位クラスターの手前に位置する。現水準から反発が「逆さカップ」の取っ手部分に入れば、6月は2055ドルから2134ドルまでが上値目途となりそうだ。再び売り圧力が強まる公算。完全なカップ否定水準(2471ドル)は、依然として到達困難。
下値動向は二極化する。ETHは1964ドルのトレンドライン維持が不可欠。2日足で1964ドルを明確に割り込めば、「逆さカップ&ハンドル」下抜けが確定し、21%下落の1545ドルまで下落するシナリオとなる。
1.0フィボ(1798ドル)が下落時の唯一の下値支持である。イーサリアム価格は1964ドルを維持できれば、6月は2055ドルから2134ドルへと反発が見込まれる。1964ドルを割り込めば、6月は1545ドルが下値目途となる可能性。

