トランプ米大統領による米国とイランの和平合意は、今週世界市場に連鎖反応をもたらした。原油価格は12%超下落し、ダウ平均は過去最高値を記録。欧州のSTOXX600も過去最高値となり、ビットコインは一時6万7000ドルを突破した。その後、ケビン・ウォーシュ氏が初の米連邦準備理事会(FRB)決定を発表し、暗号資産価格は一部上昇幅を失った。
6月14日に発表された同合意は、両国による即時停戦、イラン港湾への米国による海上封鎖の解除、そして世界の原油流通量の約20%を占めるホルムズ海峡の再開放を約束する内容。正式署名式はスイスで6月19日に予定されている。
合意発表により原油価格は1バレルあたり約87ドルから約76ドルまで急落。ダウ平均は6月16日に0.64%上昇し、5万2000を超えて過去最高値を更新した。欧州のSTOXX600も過去最高値の639.20に達した。
日本の日経平均株価は4.99%上昇し、取引終了時点で6万9317と過去最高となった。翌取引日には史上初めて一時7万台を突破した。
S&P500は1.6%、ナスダックは2.87%上昇したが、ホルムズ海峡の再開までの不透明感やFRB会合への関心から、翌取引日にはいずれも反落。ダウ平均は、エネルギーコスト低下の恩恵を受ける製造業や消費関連銘柄の支えで上昇を維持した。
暗号資産市場はイラン合意ラリーのピーク時に3.6%上昇し、時価総額は2兆3000億ドルに到達。ビットコインは一時6万7000ドルを上回った。現物ビットコインETFは8580万ドルの資金流入を記録し、機関投資家によるリスク選好の回帰が裏付けられた。
ラリーの背景は株式市場と同じ構図で、原油下落によるインフレ鈍化と利下げ期待の高まり。マクロ資産としてのビットコインもこのシナリオに沿った。しかしウォーシュ氏が流れを変えた。FRBは政策金利を3.5〜3.75%で据え置く一方、声明から緩和的スタンスを削除し、ドットチャートでは最後の利下げ予想も消えた。
2026年の利下げはもはやメインシナリオではない。ビットコインは6万5643ドルに下落。イーサリアムは1791ドル、XRPは1.22ドル、ソラナは73.56ドルで推移している。
和平合意によるインフレ緩和についても、FRBが本格的な対応に動くにはCPIデータへの反映が必要となる。ホルムズ海峡は6月19日に正式再開となる。安価な原油が消費者物価にどの程度早く波及するかが、このラリーの再燃を占う指標となる。

