スナップ(SNAP)の株価は火曜日に9.72%下落し5.16ドルを付けた。イヴァン・シュピーゲルCEOが、1台あたり2195ドルの初の商用拡張現実(AR)グラスを発表したためである。
カリフォルニア州で開催されたAugmented World Expo(AWE)2026で発表した。スナップは同日、予約受付を開始し、200ドルの返金可能なデポジットを要求している。初回出荷は今秋に米国、英国、フランスに配送予定で、まずは開発者やアーリーアダプターを対象とする。
Specsは、デジタルコンテンツを現実世界に投影し、スマートフォンへの接続なしで動作する。
シュピーゲルCEOは本製品を独立したコンピューティングプラットフォームとして位置付ける。内蔵アプリはウェブ閲覧、ナビゲーション、リアルタイム翻訳、AIアシスタントに対応。度付きレンズ用インサートも用意し、複数人で1台を共有できる構造とした。
SPECS拡張現実グラス 出典: Snap Inc.
一般の反応は主に形状に集中した。SNS上では、分厚いフレームが3D映画用メガネや日食観察グラスに似ているとの声が相次ぎ、日常使いへの懸念が示された。
この動きは2026年における他の高価格帯製品の株価下落とも共通する。高額な新製品発表による投資家の懐疑的な姿勢が、需要の実態が見極められる前に株価を押し下げている構図である。
この反応は暗号資産業界にも波及した。暗号資産の予測市場では2026年に取引高が過去最高を記録。Polymarketなどのプラットフォームで注目度の高いテック株のニュースが即座に取引材料となり、SNAP発表も迅速に反映された。
価格は2195ドルで、メタのRay-Banスマートグラス(700ドル未満)の3倍超。メタは世界スマートグラス出荷台数の約76%を占め、スナップはその開発者エコシステムにまだ及ばない。
同社は最近、VRメタバース事業を終了し、スマートグラスとAIハードウェアに経営資源を集中させた、競争領域の明確化を図っている。
アップルやグーグルも競合となるウェアラブル端末を開発中で、潤沢な開発予算を持つ大手のプレッシャーが高まっている。個人投資家による株式取引は2024年第3四半期以降で最低水準となり、SNAPのような小型株への投機的な買いが減少しつつある。
シュピーゲルCEOはSpecsをスマートフォンの代替ではなく、長期的に補完する存在と説明する。携帯端末がノートPCの代わりではなく拡張として発展した道筋との類似例を挙げた。
SNAP株は本年初来で約33%下落、本件発表前の火曜日にも落ち込んだ。2026年は予測市場でもテック株全体がリスク警告を受けており、段階的な展開が続く限り失敗の余地は小さい。
Specsが開発者からの関心を一般需要へと転換できるかは、この秋の消費者向け出荷が始まる頃に明らかになる見通しである。


