バーニー・サンダース氏がイーロン・マスク氏に公然と異議を唱え、技術系大富豪である同氏が「ユニバーサル高所得」構想の財源をどのように捻出するのか説明を求めた。マスク氏は自身の8170億ドルの資産への5%課税を支持しない姿勢を続けている。
イーロン・マスク氏はXで、AIによる失業対策として政府による給付が最善の解決策となり得ると投稿した。同氏は、AIやロボティクスが十分な財やサービスを生み出すことで、マネーサプライの増加を相殺しインフレを抑制できると主張する。
バーモント州選出のサンダース議員は、マスク氏への投稿で矛盾を指摘し、経済的公正と大規模な所得支援提案の財源モデルをめぐるより広範な課題として批判を展開した。
サンダース氏とロ・カンナ下院議員は「ビリオネア公正負担法案」を提案している。同法案は10億ドル超の純資産に対し、年率5%の富裕税を課す内容。対象となる富豪は約938人で、10年間で4兆4000億ドルの歳入増を見込む。
こうした政策論争は、2026年に主要産業でAI関連の解雇が増加する中で浮上した。2026年だけでAIエージェントによる雇用喪失は9200件に上り、ゴールドマン・サックスは過去1年で米国の月間給与職1万6000件がAIによって削減されたと推計する。
雇用喪失の影響は初級職にとどまらない。マスク氏はAIの進展による博士号レベルの金融・研究職の消滅への警鐘を強めており、その脅威が高い技能職まで及ぶと指摘する。
ダリオ・アモデイ氏は、AIが5年以内に初級ホワイトカラー職の最大50%を奪う可能性があると警告する。同氏は米国の失業率が20%まで上昇する恐れも指摘。マスク氏もAIが歴史上、最も破壊的な経済力となりいずれ職業が不要な世界になると予測してきた。
こうした未来を政府の所得支援によって制御できるか、そしてその財源を誰が負担するかについて、双方とも具体的な解答は示していない。

