TRON(TRX)価格は約0.32ドルで推移し、過去最高値からの下落幅はわずか25%にとどまる。一方、ビットコインは過去最高値から50%超の水準にある。TRXは現在、時価総額上位10銘柄で最も耐性の強い主要資産となっている。
上位10トークンの多くは、さらに大きく下落した。イーサリアム(ETH)は過去最高値から67%下落、ソラナ(SOL)は78%安となっている。TRXは、2026年までに続いた市場全体の売り圧力の中で底堅さを示している。
ビットコイン(BTC)自体も過去最高値12万6000ドルから約51%下で取引されている。これに対し、25%の下落は小幅にとどまる。TRXが2024年12月の最高値0.43ドルを回復するには、およそ34%の上昇が必要となる。
TRXの時価総額は約305億ドルで、8位にランクインしている。過去1日の値動きはほとんどなく、1週間でも4%未満の下落にとどまった。この安定ぶりが、以下のチャート構造につながっている。
週足チャートでは、TRXは上昇三角形の中で推移している。このパターンは、通常上値方向に動意づく場合が多い。チャート上では0.365ドル付近に水平レジスタンスがあり、2024年7月中旬以降維持されてきた上昇トレンドラインが形成されている。
この三角形の内部には「3ドライブパターン」も出現している。チャートから予測される決着時期は2026年8月中旬とみられる。長期的には依然として上向きのバイアスが維持されている。
0.365ドルを明確に上抜ければ、過去最高値0.45ドルへ向けた上値余地が生まれる。当面は、過去2年近くにわたり価格を導いてきた上昇トレンドラインが鍵となる。
日足チャートでは、構造がより鮮明となる。2025年11月以降、TRXは上昇パラレルチャネル内にある。足元では下限バンドおよび0.32ドル付近の0.5フィボナッチ水準まで下押した。
この水準が長期サポートとなっている。次の下値メドは、0.31ドル付近の0.382フィボナッチのやや下に位置する。これらサポートを明確に割り込めば、さらなる変動リスクが高まる。
チャネル下限を試す動きがみられた後は、範囲中央への反発が繰り返されてきた。今回も同様であれば、買い方は中間ラインの回復、さらに上限バンドへの到達を狙う展開となる。
レジスタンスは0.35ドル付近の0.786フィボナッチ、その上は直近高値を上回る0.37ドル付近に存在する。RSI(相対力指数)は長期サポートのトレンドラインまで低下し、弱気圏の縁で推移している。ここで反発すれば、買い優勢の展開につながる。
オンチェーン指標も、強気なチャート構造を後押ししている。中でもGlassnodeの2指標が注目される。
1つ目はアクティブアドレス数。ネットワーク活動は2024年半ば以降上向きとなり、200万台から300万台と増加した。2026年4月に一時減少したが、再び300万台まで回復している。
足元の価格調整は、利用状況の減少を伴わなかった。下落局面で活動量が増加するのは、需要強化を示すことが多く、注視すべき乖離である。
2025年には400万台、500万台超の急増もあったが、これらは一過性の動きだった。基準値の着実な上昇こそ、トレンドの重要な要素である。
2つ目は取引所純ポジション変化である。直近数週間にわたり、全取引所でマイナス圏に陥った。コインは流入よりも流出する状態だ。
純流出は買い集めと売り圧力の低下を示す。保有者は売却意図がない場合、コインを取引所外に移す傾向がある。逆にプラス圏への転換は、局所的な高値圏で利益確定売りが出ている場合が多い。
チャート上で最大の流入急増は2024年12月の高値付近に観測され、売り手がコインを取引所に移したタイミングだった。現在続く流出局面は、対照的な動きといえる。
これら2つの指標を総合すると、1つの状況が浮かび上がる。買い手が下落局面を吸収しつつ、ネットワークの利用は増加を続けている。取引所残高の減少は、短期売却可能な供給量を減らす要因となり、需要が回復すれば市況を引き締める展開も想定される。
この状況でTRXは判断の分岐点にある。0.31ドルを維持できれば、0.37ドルや過去最高値の0.43ドルへの道が開けるとの見方が広がる。一方でサポートを下回れば、再び売り手優勢となる見通し。


