イーロン・マスク氏は、「1京(1 quadrillion)ドル」に到達することは「不可能ではない」と述べた。ただし、その規模の経済を実現するには月や火星に工場を設置する必要があるとの見解を示した。
マスク氏は、SNSへの投稿で自身が「1京ドル」には約998兆9000億ドル足りないと指摘された。これを否定するのではなく、同氏はこの問い掛けに直接応じ、その水準に到達する唯一の現実的な方法は地球外での産業拡大だと指摘した。
マスク氏の 返信は、一つの惑星で創出できる富の限界を示唆した点で注目を集めた。同氏は、地球上でいくら経済活動を行っても、その域には達しないとの見方を示した。
その上でマスク氏は、未来において通貨という概念自体がどうなるのかという議論に話題を転じた。新たな通貨の登場を示唆するのではなく、金銭自体の在り方が変化すると主張した。
これらの発言は、スペースXが事業拡大を進める中で出てきた。同社は最近、ナスダックで 2兆ドルの歴史的なIPOデビューを果たし、米国企業で6番目に高い時価総額となった。一方、マスク氏はスペースXが2030年までに 1兆ドルの収益目標を達成すると見込むが、2025年の同社売上高は187億ドルにとどまった。
こうしたテーマは、マスク氏が率いる事業全体に共通してみられる。同氏のスペースX報酬パッケージには、2億株の高議決権株が「火星に常住する100万人規模のコロニー設立」という条件に紐付いている。スペースXはすでに初の火星飛行ミッション搭乗者を決定しており、その座に暗号資産億万長者が選ばれた。
マスク氏は長年公言してきた「火山の隠れ家」確保について冗談を交え、ユーモアも忘れなかった。この発言には、壮大な目標すらもSFの言語で語ろうとする同氏の姿勢が表れている。
スペースXのIPOに関する10の事実は、マスク氏が非上場企業の評価額に対する市場の見方をすでに変容させていることを示す。1京ドルに関するマスク氏の発言は、その論理を極限まで押し広げ、もはや市場ではなく地球や惑星の条件こそが企業や個人の財の上限を決めるとの見方を示した。
