過去の市場バブル予測で知られるGMO共同創業者のジェレミー・グランサム氏は27日、AIバブルによって米国株が米国史上最も割高な水準に達したと警告した。最大70%の下落につながる可能性があると指摘する。
同氏はCNBCのインタビューで発言した。主な助言は率直だ。投資家に対し、米国株から距離を置き、海外市場に目を向けるよう促した。
グランサム氏は、2010年以降の株価収益率が前世紀平均より60%超高い状態が続いていると指摘する。その要因については、長年の低金利だと述べる。同氏はAIの変革力自体は否定しない。ただし、技術へのほぼ全面的な信頼が危険な過剰投資を招いたとし、ウォール街全体で高まるAIバブル懸念と足並みをそろえる形となった。
同氏のバブルモデルでは、過去のあらゆる投機的な過熱局面が最終的に元のトレンドへと回帰してきた。これに沿えば、最大銘柄の下落幅は50%よりむしろ70%に近くなると見る。時期については、2週間後から2年後まで幅があると認めた。
グランサム氏は2000年のドットコムバブル崩壊や2007年の米国住宅バブルを事前に警告した実績がある。ただし、2021年の大型バブル警告は早すぎ、株式市場は2022年まで上昇を続けた。現在は同氏だけでなく、投資家のレイ・ダリオ氏も同様の流動性リスクを指摘している。
市場が70%調整すれば、株式市場内だけで収まらない。ビットコイン(BTC)は現在、テック株のような動きを見せており、リスクオフの相場では真っ先に、かつ大幅に影響を受けやすい。
既にその兆候が見え始めている。米国の現物ビットコインETFは、6月中旬までに30日連続で過去最大の63億5000万ドル流出を記録した(Galaxy Research調べ)。
ビットコインは調整局面で5万9663ドル近辺で推移していた。グランサム氏は暗号資産自体を一蹴し、「無価値」でありゼロに向かうとの見方を繰り返す。
同氏は現在、割高な米国株よりも、米国以外の株式や債券、貴金属への投資を推奨する。一方で、こうした警告に懐疑的な声もある。
強気派は、現在のAI企業の多くが実利益を上げており、ドットコム時代の赤字企業とは異なると主張する。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長も、AI関連投資は投機ではなく、実体経済活動だと語った。
グランサム氏の警告が早すぎるのか正しいのか結論は分からないが、過去の実績から軽視はできない。
暗号資産保有者にとって教訓となるのは、現状ビットコインの運命は主にAI関連の相場動向次第という点である。今後発表されるAI企業の業績で、この楽観シナリオがどこまで正当化できるのかが試される。


