S&P500採用銘柄のおよそ60%がウォール街アナリストから「買い」評価を受けており、これは過去最高水準となった。米国とイランが攻撃停止と地政学的緊張緩和で合意したことを背景とする。
アナリストの楽観姿勢が過去最高となり、中東リスクも和らいだことで、米国株や暗号資産などのリスク資産全体に強気なセンチメントが広がった。
S&P500採用銘柄のおよそ60%が「買い」評価となり、これは過去最高だとチャーリー・ビレロ氏は指摘する。FactSetのデータでは、6月時点でアナリストの59.4%が「買い」としている。
「ホールド」評価は35.7%に低下し、「売り」評価は4.9%となり、この5年の平均を下回る。「売り」評価は構造的に少なく、ウォール街アナリストは「買い」と「ホールド」を好む傾向である。
クリエイティブ・プランニングのチーフ・マーケットストラテジストであるビレロ氏は、この楽観ムードについて「ゴーサイン」ではなく、むしろ注意を促すものだとの見方を示した。
アナリストの楽観姿勢は、米国とイランがすべての「実力行使」を停止することで合意したことで強まったとAxiosは伝えている。両国は火曜日にドーハで会談予定。
同報道によれば、米当局者は両国とも当面は敵対行為を停止し、技術協議が続く間は商船が自由に航行できるようになるとの見解。
協議では停戦合意の履行が焦点となり、海上安全対策や米・イラン間で未稼働の軍事ホットライン設置などが議題となる。
今回の合意は、6月18日にいったん成立した休戦枠組みを延長するもので、その後も一時的な攻撃再開が発生していた。中東リスクの緩和が市場全体の強気ムード強化に寄与した。
暗号資産を取り巻く情勢には、ホルムズ海峡が絡む。ここを通過する原油は1日2,000万バレルと、世界消費量の約5分の1を占める(EIA調べ)。地域緊張が高まるたびに暗号資産価格は下落。6月3日には6万6,000ドルを割り込み、2月以降最大となる18億4,000万ドル相当のロスカットが発生した(CoinGlass調べ)。
米株は高値圏を維持する一方、ビットコイン(BTC)は最安値圏にあり、リスク資産間の乖離が注目される。ビットコイン現物価格は月曜日に5万9,633ドル付近で推移し、今週は約6%下落。これは2025年10月のピーク12万6,080ドルから約53%安。
6月の枠組み合意が交わされた際、原油が下落し米株は上昇。ビットコインは24時間取引のため、株式市場が開く前にこうしたニュースで先に動く傾向がある。
依然として状況は脆弱。トランプ米大統領は「最後までやりきる」と警告し、イラン革命防衛隊も海峡巡る新たな警告を発している。バンク・オブ・アメリカは以前からビットコインをインフレヘッジではなくリスク資産と位置づけている。株式との高い連動性は、市場によっては逆風にもなりうる。
今回の過去最高レベルの楽観と緊張緩和により、さらなる上昇期待が強まっている。今後は火曜日の協議が維持されるか、原油が安定するか、そしてFRBやビットコインの長期的見通しが鍵となる。


